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受賞・プレスリリース

岩田 潤一 特任講師・押山 淳 教授 ゴードン・ベル賞受賞

物理工学専攻の岩田潤一特任講師と押山淳教授が加わっている(独)理化学研究所-筑波大学-東京大学-富士通(株)の研究グループが、理研と富士通が共 同開発中の京速コンピュータ「京」を用いた研究成果をハイ・パフォーマンス・コンピューティング(高性能計算技術)に関する国際会議SC11(米国・シア トル開催)で発表し、 17日(日本時間18日)、ゴードン・ベル賞の実効性能部門で最高性能賞を受賞しました。 受賞の対象となった成果は、次世代半導体の基幹材料として注目されているシリコン・ナノワイヤ材料の電子状態を計算したものです。現実の材料のサイズに近 い10万原子規模(直径20ナノメー トル、長さ6ナノメートル)のナノワイヤの電子状態について、計算性能を確認するための量子力学的計算を行い、実効性能 3.08ペタフロップス(実行効率 約43.6%)を達成しました。また、10,000個から40,000個の原子規模からなるシリコン・ナノワイヤについて電子状態を詳細に計算した結果、 断面の形状によって電子輸送特性が変化することも明らかにしました。 日本のグループによるゴードン・ベル賞の最高性能賞受賞は、2004年に(独)海洋研究開発機構が保有する地球シミュレータ(初代)を用い、地磁気ダイナ モシミュレーションを行った神戸大学の陰山聡教授(当時 (独)海洋研究開発機構)らのグループが獲得して以来のことです。 本研究で用いたアプリケーションは、文部科学省「グランドチャレンジプログラム(ナノ分野、代表:分子科学研究所)」で開発されている中核アプリケーショ ンの1つです。