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物工PICKUP
2019年度:恒川 翔

卒業生からのメッセージ

学科選択は今後の学生生活の「色」を決める大事なことだと思います。HPや説明会はもちろんのこと、座談会等、実際に学科の人にあって、カリキュラムだけでなくて雰囲気なども知るのがいいと思います。

2020年3月1日更新
写真:2019年度:恒川 翔
2019年度卒業生:恒川 翔
大学院工学系研究科 物理工学専攻
齊藤英治研究室 修士課程2年

物理工学科って何を学べるところ?

物理工学科(物工)は物性物理、量子情報に特化した学科です。
これらは社会的にも非常に需要が高まっています。例えば、スマホなどの電化製品の殆どに半導体が使用されていますが、半導体は物性物理学によって挙動が説明されており、こうした製品・技術を根本から支えています。また、2016年ノーベル物理学賞はトポロジカル物質の理論的発見であり、昨今でも物性物理学はめざましい発展を遂げています。一方、量子情報技術は、GoogleやMITなどをはじめ世界各国が研究開発に注力しており、日本でも政府により統合イノベーション戦略の強化すべき分野として量子技術が選定されています。
こうした科学技術を担う、基礎研究ができるところが物理工学科です。

学生目線で見た物理工学科の特徴

カリキュラム
物性物理や量子情報の研究に4年生で着手できるように、コンパクトにカリキュラムが練られています。
1年半かけて基礎物理をじっくりと積み上げながら学んでいきます。講義で学んだ内容は、すぐに実験や演習を通じて活用され、理解を深めることができます。そして4年生からは研究が始まり、「新しい物理学を自らの手で作り上げていく」体験ができます。
理学部物理学科との比較
物工とよく比較されるのは理学部物理学科(理物)ですが、個人的に違いは主に以下の3つだと思います。
  1. 1)理物では物性に加えて素粒子や宇宙を取り扱う
  2. 2)理物では4年次に卒業研究の代わりに特別実験と理論演習を行う
  3. 3)物工では計数工学科(計数)の科目(制御、回路、信号処理、数学、機械学習)を取りやすい
物工はあくまで「工学部」であり、新技術の創生がどこか念頭にあるというところが、両者を比較した時の違いになると思います。
研究体験談
卒業研究では核スピンを利用した未発見現象の開拓に挑戦しました。実験を行うとすぐに信号を得ることができましたが、この信号は予想とは異なるものでした。
そこで、結果をどう説明すべきかについて、何ヶ月も頭を捻り続けました。このとき大切だったのは、今考えている現象の本質はどこかを抽出することでした。教授や助教さん、先輩にサポートしてもらいながらモデルを作り、最終的に結果を説明することができました。ここで行ったことは「新しい物理を自らの手で作り上げる」という創造的なプロセスであり、研究の最先端に取り組む貴重な機会でした。
物工に来て良かったこと
個人として物工で得られた最大の財産は数理的素養です。物工では基礎物理を中心に学びますが、そこで得られるモデル化の考え方や計算力は、どこへ行っても役に立ちます。今僕はテーマを変えて機械学習と物理学の融合領域を研究していますが、物理で培った基礎体力は機械学習にそのまま応用できています。
またこれは物工に限った話ではありませんが、学科選択後は自分の興味や考え方と似通った人とたくさん出会うことができます。すると自然と話しやすい人が多く、また興味のある分野に詳しい人がいてたくさん刺激を受けることができます。

進路を考えている新2年生へのメッセージ

学科選択は今後の学生生活の「色」を決める大事なことだと思います。
僕は学科選択を真面目に行わず、なんとなく量子力学を学んでみたいな、でも理物は難しそうだな、くらいのノリで決めてしまいました。学科説明会も、HPすら見ていませんでした。運よく物工は自分とマッチして楽しい学生生活を送ることができましたが、もしかすると内容に興味が湧かず、苦しい生活を送っていたかもしれません。
やや脅すような言い方になりますが、可能な限り情報は集めて、慎重に選択をすべきだと思います。HPや説明会はもちろんのこと、座談会等、実際に学科の人にあって、カリキュラムだけでなくて雰囲気なども知るのがいいと思います。

とはいえ事前にこの選択が最適だと知ることはできませんし、そもそも最適な選択が複数あったり、あるいは全くない可能性もあります。最後は思い切って、集めた情報や直感を信じて選ぶしかありません。そして選んだ後はその環境を目一杯楽しんで、合わないと思ったら適宜軌道修正をするしかありません。選択に悩みはつきものですので、目一杯悩んで自分の道を決めてください。
物工で聞きたいことがあれば、いつでもお気軽にお尋ねください。