物理工学輪講第二
7月15日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2025年7月15日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 門野 優樹
指導教員名 香取 秀俊 教授・牛島 一朗 講師
論文題目 ラマン遷移による原子干渉計の仕組みと、可搬型加速度計への応用
要旨 原子干渉計は、重力加速度や慣性力を高精度かつバイアスのない形で計測可能な次世代の量子センサとして注目されており、特に長いコヒーレンス時間を保てるラマン遷移を用いた手法が有効である。本発表では、ラマン遷移による原子干渉計の基本原理と構成を概説し、さらに干渉計を乗り物などの移動体に搭載するために必要な工夫について述べる。
発表者名 谷口 慶奨
指導教員名 香取 秀俊 教授・牛島 一朗 講師
論文題目 光格子時計における多重極分極シフトの補償
要旨 光格子時計において、周波数シフトの相対不確かさを生じさせる要因の一つに、光格子によるシフトがある。
特に高精度化の観点では光格子の多重極分極による周波数シフトの低減が課題である。本論文では原子を捕捉している光格子に対し、多重極分極によるシフトを補償する光格子を追加する。本論文の手法により19桁以上での周波数測定が可能になることが示唆される。
発表者名 西野 日翔
指導教員名 香取 秀俊 教授・牛島 一朗 講師
論文題目 光格子時計のための共振器を用いた非破壊原子検出
要旨 光格子時計の運転には、光格子(光の定在波)にトラップされた冷却原子の励起率を測定することが不可欠である。従来の蛍光測定では、原子がプローブ光によって加熱されて光格子から脱出してしまうという課題があった。本発表では、光共振器内の原子によるプローブ光の位相変化を観測することで、原子を光格子から逃さずに励起率を測定する方法を紹介する。

Bグループ

発表者名 佐古 純平
指導教員名 石坂 香子 教授
論文題目 カイラルトポロジカル半金属における軌道角運動量モノポールの観測
要旨 カイラルトポロジカル半金属では、カイラリティに由来した波数空間上でのモノポール的な軌道角運動量の存在が理論的に予測され近年注目されている。本発表では、円偏光二色性角度分解光電子分光を用いてカイラルトポロジカル半金属CoSiの軌道角運動量を観測した論文を紹介する。
発表者名 常磐井 一郎
指導教員名 石坂 香子 教授
論文題目 走査透過電子顕微鏡とタイコグラフィー
要旨 原子レベルでの物質観察には走査透過電子顕微鏡が用いられてきた。しかし、2次元物質等の照射損傷に弱い物質の従来法での高分解能観察は困難である。本発表では新手法タイコグラフィーを用いて2次元物質MoS2の詳細な構造解析を実現した研究を紹介する。