物理工学輪講第二
6月28日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2022年6月28日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 飯山 敦司
指導教員名 杉本 宜昭 准教授
論文題目 磁気交換力顕微鏡(MExFM)による 絶縁体の磁気構造の可視化
要旨 試料表面の強磁性・反強磁性について原子スケールで把握するためには、表面原子のスピン配列を可視化することが必要である。原子分解能を持つ走査型プローブ顕微鏡には様々な種類があるが、その一種である「磁気交換力顕微鏡(MExFM)」が絶縁体のスピン配列を可視化するのに適すると考えられてきた。本発表では、MExFM によって初めて絶縁体(NiO)のスピン配列の可視化を成し遂げた実験について紹介する。
発表者名 西田 奎太
指導教員名 杉本 宜昭 准教授
論文題目 強磁性相とスキルミオン相の電場駆動によるスイッチング
要旨 スキルミオンは新しい情報技術への応用が期待されている磁気構造だ。応用においてはスキルミオンを1つずつ生成・削除する必要がある。その方法として磁場を用いる方法などが知られていた。ここでは、電場駆動によってスキルミオン1つ1つの生成・削除が可能であることとその原理を議論する論文を紹介する。
発表者名 池山 尚
指導教員名 齊藤 英治 教授
論文題目 光のスクイージングと状態トモグラフィ測定
要旨 クイーズド状態の理論的定式化と、その観測方法について発表する。スクイーズド状態とは、位相空間上のゆらぎが一方向に押しつぶされた状態である。スクイーズド状態を用いて、量子エンタングルメントを形成できることが知られており、量子コンピューティングへの応用が期待される。パラメトリック発振によるスクイーズド状態の生成と、そのホモダイン測定による観測について説明する。

Bグループ

発表者名 白石 蒼馬
指導教員名 吉岡 孝高 准教授
論文題目 反水素のレーザー冷却
要旨 レーザー冷却とは、光子との相互作用による運動量変化を、粒子に速度選択的に与えることで、その速度分布を狭める手法である。今回紹介するのは、反物質系においてレーザー冷却が初めて実現された研究である。
発表者名 宮本 尚樹
指導教員名 吉岡 孝高 准教授
論文題目 ポジトロニウムの1S-2S遷移周波数測定
要旨 電子-陽電子の束縛対であるポジトロニウムは精密測定により物質-反物質間の非対称性探索や標準理論の検証を可能にする。発表ではポジトロニウムの1S-2S遷移周波数を現状最も精度良く測定した論文を紹介する。
発表者名 本橋 悠人
指導教員名 吉岡 孝高 准教授
論文題目 ポジトロニウムのマイクロ波精密分光(2S-2P遷移)
要旨 ポジトロニウムは陽電子と電子の束縛対という単純な構造により、エネルギー準位の高精度な理論計算が実現できる。マイクロ波を用いた分光法による精密な遷移周波数測定を行い、理論との比較検証を行った研究を紹介する。