物理工学輪講第二
6月21日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2022年6月21日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 首藤 龍馬
指導教員名 長谷川 達生 教授/荒井 俊人 講師
論文題目 強誘電体分極ドメインの可視化手法と有機電気光学ポリマー
要旨 強誘電体材料では材料の高度化にむけて、分極ドメインの空間分布観察を通じたドメインの形成機構の解明が目指されている。今回の発表では、一次の電気光学(EO)効果であるポッケルス効果を利用した、透明な有機強誘電体の分極ドメインを可視化する手法について紹介する。またEO効果を応用した例として、近年その高速応答性から注目を集めている有機電気光学変調器に関する研究についても紹介する。
発表者名 土田 真嗣
指導教員名 長谷川 達生 教授/荒井 俊人 講師
論文題目 層状有機半導体を用いた有機薄膜トランジスタの高性能化
要旨 有機薄膜トランジスタ(OTFT)は、フレキシブルな電子デバイスへの応用が期待され、その高性能化に向けた研究開発が進められている。近年、OTFTの2次元的なキャリア輸送に適した、層状に配列する有機半導体が注目されている。本発表では、層状結晶性有機半導体を用いた高均質な単結晶薄膜の作製手法を紹介し、これを用いた良好なスイッチング特性を示すOTFTの開発に関する研究を紹介する。
発表者名 三宅 孝明
指導教員名 長谷川 達生 教授/荒井 俊人 講師
論文題目 有機半導体の材料開発と結晶構造制御
要旨 スマートフォンやテレビなどあらゆる電化製品には薄膜トランジスタ(TFT)が用いられている。こうした応用を目指し、有機TFTの高性能化に向けた研究開発が進められている。その根幹をなす有機半導体の高性能化には、その結晶構造の理解が欠かせない。特に高性能TFTの作製に有利な層状結晶性を増強する手段として、半導体骨格へ化学修飾の効果が検討されている。本発表では半導体骨格にアルキル鎖を付与した材料開発に関する研究について紹介する。

Bグループ

発表者名 岸本 竜太
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 符号距離3の表面符号における繰り返し誤り訂正の実証
要旨 量子計算機は古典計算機では解決困難な問題を解決することが期待されている。エラー耐性を持つ量子計算機を実装する上で、繰り返しエラー訂正が必要となる。本発表では、エラー訂正方式の中でも特に誤り耐性が高く拡張性が期待されている表面符号方式を用いた超伝導量子ビット上繰り返し誤り訂正が初めて実証された論文を紹介する。
発表者名 肥田 宏太郎
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 フラクソニウム型量子ビットの交差共鳴方式による制御NOTゲート
要旨 量子計算機実現の為、高精度な制御NOTゲートの実装は重要な課題である。本発表では、フラクソニウム型超伝導量子ビットにおいて、交差共鳴方式による制御NOTゲートを実装した論文について紹介する。
発表者名 結城 賢志
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 導波路の量子電磁力学を利用した光子の放出方向の制御
要旨 量子ネットワークの実現方法の候補として、導波路の量子状態の干渉によって計算ノードの光子の放出、吸収を指向的に行うものが提案されている。本発表では、この方法で光子の指向的な放出を実証した論文を紹介する。