物理工学輪講第二
6月17日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2025年6月17日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 浅原 若菜
指導教員名 木村 剛 教授
論文題目 電場誘起方向二色性による反強磁性ドメインの可視化
要旨 対称性の破れた反強磁性体はドメインを区別することが可能であり、強磁性体に代わってデバイスへの応用が期待されている。そこで、反強磁性のドメインの可視化のための手法として、電場を印加するとドメインによって光の吸収率が変化するという電場誘起方向二色性を紹介する。
発表者名 佐藤 尚哉
指導教員名 木村 剛 教授
論文題目 カイラル強誘電体における磁気カイラル異方性
要旨 カイラル物質に特有の現象の1つとして、磁気カイラル異方性がある。これはカイラル物質に磁場を印加した際、磁場に平行、反平行に入射した光や電流に対する応答が異なる非相反現象であり長年研究されてきた。本発表では背景知識を説明したのち、カイラル強誘電体に現れる「変位電流」の磁気カイラル異方性を紹介する。

Bグループ

発表者名 鹿又 奏人
指導教員名 山本 倫久 教授
論文題目 2次元物質積層によるモアレ超格子の物理
要旨 グラフェンの発見以降、様々な2次元物質やその物性が探索されてきた。本発表では、2次元物質(主にTMDと呼ばれる物質群)を積層させた際に生じる長周期ポテンシャルであるモアレ超格子を導入し、これが強相関電子系を始めとする幅広い物質物性をシミュレートするプラットフォームとして大きな可能性を秘めていることを説明する。
発表者名 大橋 瑞輝
指導教員名 杉本 宜昭 教授
論文題目 原子間力顕微鏡を用いた単一分子の電子スピン共鳴
要旨 一般にはマクロに行われるESR(電子スピン共鳴)を、単一の原子・分子に対して行うことは量子状態の理解において重要である。従来のSTM(走査型トンネル顕微鏡)を用いた手法では、電流による散逸が課題であった。本研究ではAFM(原子間力顕微鏡)による力検出を用いてこの問題を克服し、コヒーレンスの長い単一分子のESRを実現した。
発表者名 水野 晴貴
指導教員名 杉本 宜昭 教授
論文題目 原子間力顕微鏡を用いたSi(553)-Auの基底状態の解明
要旨 結晶表面Si(553)-Auに走査型プローブ顕微鏡による測定を行うと、温度や印加電圧によって異なる周期の性質が現れる。本発表では原子間力顕微鏡を用いてSi(553)-Auの構造を決定し、異なる周期の性質の発現メカニズムを解明した研究を紹介する。