物理工学輪講第二
5月27日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2025年5月27日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 内田 倖太郎
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 超伝導量子ビットを用いた量子アドレス指定可能なルーター
要旨 超伝導量子コンピューターの実現に向けて、量子ビットに記録された情報を必要な場所へ正しく届ける技術が提案されている。本発表では、スイッチの量子状態に応じて量子情報を2方向へ振り分けるルーターの機構を、4つの量子ビットを使用して実証した研究を紹介する。
発表者名 賈 鐘哲
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 Double-Transmon Couplerによる高忠実度CZゲートの実現
要旨 超伝導量子コンピューターを実現するには精密な量子系の操作が厳しく要求されている。近年、 Double-Transmon Couplerという1量子ビットゲート操作と2量子ビットゲート操作の両方とも忠実度よく達成できる量子ビットの結合方式が提案された。本発表では、Double-Transmon Couplerの動作原理を解説し、この結合器を使ってCZゲートを実現した実験を紹介する。
発表者名 小八木 陽史
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 連結量子測定によるマイクロ波単一光子計測のノイズ低減
要旨 超伝導量子回路で構成された単一マイクロ波光子検出器(SMPD)では、熱励起などが検出エラーとなり、検出感度のボトルネックとなっていた。本発表では、SMPDを連結することでエラーの抑制に成功した実験を紹介する。

Bグループ

発表者名 五十嵐 佳祐
指導教員名 岡本 博 教授
論文題目 高強度THzパルスの発生
要旨 THzパルスは電子状態の観測や光励起において有用である。特に高強度のTHzパルスは通常の電磁場の印加では現れない電子相への相転移を可能にし、その発生は光物性において重要な役割を果たす。本発表ではLN結晶を用いた高強度のTHzパルスの発生方法及びそれを用いた電荷密度波の相転移について述べる。
発表者名 佐藤 晃成
指導教員名 岡本 博 教授
論文題目 気体と固体における高次高調波発生
要旨 高強度のフェムト秒レーザーを原子ガスに照射すると、レーザー周波数の整数倍の光が放出される現象が観測される。これは高次高調波発生(High Harmonic Generation, HHG)と呼ばれ、強電場によって駆動された電子の運動に起因する非摂動論的かつ非線形な光学現象である。これまでのHHGの研究は主に原子ガスを対象としてきたが、近年では半導体をはじめとする固体を対象とした研究が活発化している。本発表では、気体と固体におけるHHGの発生機構とそれぞれの特徴的な違いについて解説する。