物理工学輪講第二
5月31日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2022年5月31日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 飯島 優浩
指導教員名 有馬 孝尚 教授/徳永 祐介 准教授
論文題目 反強磁性体MnTiO3における磁壁のイメージング
要旨 キラリティと磁化の双方を持つ物質では、磁気キラル二色性と呼ばれる、光の照射方向によりその透過率が変化する性質がみられる。巨視的な磁化を持たない反強磁性体MnTiO3においてもこの性質を持つことを示し、これを利用して磁壁のイメージングを行った研究を紹介する。
発表者名 池原 至恩
指導教員名 有馬 孝尚 教授/徳永 祐介 准教授
論文題目 フラストレート三角格子磁性体における巨大トポロジカルホール効果とスキルミオンの発現
要旨 スキルミオンと呼ばれるスピンが渦状に並んだ構造が注目されている。スキルミオンは従来、空間反転対称性が破れている物質において観測されてきたが、近年では空間反転対称性がある物質においても観測され始めた。後者の物質の例にGd2PdSi3という磁性体がある。この物質においてGd原子が三角格子状に並びそれが積層しているが、この三角格子が幾何学的フラストレーションを生じさせることでスキルミオンが発現すると考えられている。
発表者名 西田 祥太
指導教員名 有馬 孝尚 教授/徳永 祐介 准教授
論文題目 極性磁性体GaV4S8におけるネール型スキルミオン格子の発見(Néel-type skyrmion lattice with confined orientation in the polar magnetic semiconductor GaV4S8)
要旨 ナノスケールの磁気構造である磁気スキルミオンは、様々なキラル磁性体中で、格子を組んだスキルミオン格子として観測されていた。一方、C_nvの対称性を持つアキラルな極性結晶においてもスキルミオン格子が生じ得ることが、理論研究により予測されていた。本発表では、低温でC_3vの対称性を持つ極性結晶となるGaV4S8において、初めてバルク結晶中でネール型スキルミオンの格子状態を発見した研究を紹介する。

Bグループ

発表者名 佐藤 弘基
指導教員名 岡本 博 教授/貴田 徳明 准教授
論文題目 ・LiNbO3の光整流効果による高強度モノサイクルテラヘルツ電場パルスの生成
・テラヘルツ電場パルスによる水素結合型強誘電体の超高速分極の制御
要旨 ・光整流効果を持つLiNbO3を用いると、一般的なフェムト秒レーザーからテラヘルツ電場パルスを生成できる。特に、応用に必要な高強度を得るための面傾斜法について説明する。
・テラヘルツ電場パルスを用いた超高速分極制御の研究例として、クロコン酸を紹介する。クロコン酸は水素結合型強誘電体で分子内のπ電子の偏りが強誘電性に重要な役割を果たしていることを説明する。
発表者名 村田 好登
指導教員名 岡本 博 教授/貴田 徳明 准教授
論文題目 テラヘルツパルスによる隠れた強誘電性状態の生成
要旨 光誘起相転移とは、光を物質に照射することによって、その電子構造や結晶構造(物質相)が劇的に変化する現象である。この現象には、通常の熱的相転移では到達できない「隠れた物質相」が見出される可能性が秘められている。本発表では、SrTiO3やκ-(ET)2Cu[N(CN)2]Clといった常誘電性の物質にテラヘルツパルスを照射することによって、隠れた物質相である強誘電性状態を見出した研究を紹介する。
発表者名 李 沄昍
指導教員名 岡本 博 教授/貴田 徳明 准教授
論文題目 中赤外パルスを励起に用いたサブサイクル分光
要旨 サブサイクル分光は、固体の光学応答のダイナミックスを研究する手法である。特にポンプパルスの位相に依存する応答の計測には、パルスレーザー由来のCEPの揺らぎを安定させることが課題である。本発表では、CEP安定な中赤外パルスを発生する光学系を中心に、それを用いたサブサイクル分光の実例も紹介する。