物理工学輪講第二
5月16日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2023年5月16日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 香川 巧
指導教員名 高橋 陽太郎 准教授
論文題目 マルチフェロイクスにおけるエレクトロマグノン
要旨 マルチフェロイクス分野で注目を集めてきた振動電場によって励起されるエレクトロマグノンのメカニズムとらせん磁性体でのエレクトロマグノンの観測例を紹介する。またそれに関連することとしてらせん磁性由来のカイラリティについても取り上げる。
発表者名 竹中 涼
指導教員名 高橋 陽太郎 准教授
論文題目 テラヘルツ光によるSrTiO3の強誘電相への相転移
要旨 SrTiO₃は低温でもソフトフォノンが凍結せず常誘電状態を保つため,テラヘルツ帯に巨大な光学フォノンの共鳴が存在する.ここではテラヘルツパルスにより低温のSrTiO₃を強誘電相へ転移させることに成功した論文を紹介する.
発表者名 山森 智弥
指導教員名 高橋 陽太郎 准教授
論文題目 テラヘルツ磁気光学分光による遍歴強磁性体SrRuO3における異常ホール効果の研究
要旨 異常ホール効果とは、強磁性体で生じる特異なホール効果であり、バンド間遷移に基づく内因性機構と不純物散乱に基づく外因性機構という2つの起源が提案されている。
近年、内因性機構はフェルミレベルがバンドの反交差点付近に位置するときにホール伝導度への寄与が増大することが示唆されている。
ここでは、強磁性体SrRuO3を用いて反交差点でバンド間遷移が生じる場合のホール伝導度スペクトルを、エネルギーギャップに対応するテラヘルツ帯での分光測定で観測し、異常ホール効果に対する内因性機構の寄与を明らかにした研究を紹介する。

Bグループ

発表者名 池田 理玖
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 超伝導量子コンピュータの大規模化に向けたジョセフソン接合のレーザーアニーリングによる周波数分散の制御
要旨 固定周波数型のトランズモンによる超伝導量子コンピュータを大規模化にあたって、隣接する量子ビットが周波数衝突を起こすことが問題になっている。紹介する論文では、レーザーアニーリングにより量子ビット内のジョセフソン接合を個別に加熱することで、ビットの周波数のばらつきを抑えることに成功した。
発表者名 砂田 桂花
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 複数量子ビット間の量子状態転送
要旨 量子コンピュータの大規模化において、量子状態転送は重要な技術である。取り上げる論文で実証された複数量子ビット間の量子状態転送を理解するにあたり、ゲート操作や低損失経路実現の方法等について詳しく説明する。
発表者名 本田 和大
指導教員名 中村 泰信 教授
論文題目 超伝導量子ビットにおける準粒子分布の研究
要旨 ジョセフソン接合における準粒子トンネリングは、超伝導量子ビットのデコヒーレンスの主要な原因の一つである。準粒子励起は、フォトン由来の非平衡なものと熱による平衡なものがある。前者を抑制することで、ギャップエンジニアリングの有効性を示した論文を紹介する。