物理工学科カリキュラムcurriculum
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基礎物理学・先端物理学
連続体の力学

講義項目Outline

質点の力学では、運動する物体の大きさを無視し、剛体の力学では、物体の変形を無視した。しかし、現実の物体には、変形を伴う。本講義では、この変形する物体の運動を、巨視的な立場で議論する。そして、この変形を記述する手法として導入される連続体の概念、場として表される物理量とそれらを結びつける種々の法則、そこから導かれる現象を理解することを目的とする。構造相転移など、物性物理学との関連が深いトピックスについては一般的な教科書の範疇を超えて紹介する。

  1. 序論 ~変形体とは・連続体近似・講義の目標
  2. 構造相転移のランダウ理論
  3. テンソル・物性テンソル
  4. 補遺 ベクトルの共変性・反変性と微分演算子の極座標表示への応用
  5. テンソルと系の対称性
  6. 応力テンソル・変形テンソル
  7. 歪みテンソル・歪みの適合条件
  8. 構造相転移とドメイン壁の配向
  9. 弾性体の静的変形1(ヤング率・ポアソン比・変位の基礎方程式)
  10. 弾性体の静的変形2(梁の曲げ・座屈)
  11. 弾性体の静的変形3(棒のねじり・調和関数)
  12. 弾性体の動力学1(弾性波と界面における反射)
  13. 弾性体の動力学2(表面弾性波)

担当教員Instructor 賀川 史敬