物理工学科カリキュラムcurriculum
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基礎物理学・先端物理学
量子物理工学

講義項目Outline

電子の巨視的量子秩序(磁性相、超伝導相)がもたらす物理を統一的な視点から議論し、スピントロニクス、量子情報工学、量子デバイス工学への応用を概観する。

第1章 はじめに:巨視的秩序 -磁性体を例に-

  • ストーナ条件
  • モット絶縁体
  • 超交換相互作用

第2章 解析力学・量子力学の使い方、調和振動子

  • 系の表現と力学変数、量子化
  • 生成消滅演算子
  • コヒーレント状態

第3章 素励起の基本概念、場の量子化、フォノン

  • 粒子数固有状態
  • 場の演算子
  • 格子振動とフォノン

第4章 マグノン、フォトン、レーザー

  • 強磁性体のマグノン
  • 反強磁性体のマグノン
  • ゲージ原理
  • フォトン
  • 誘導放射とレーザー

演習  磁性、場の量子化などの計算演習

第5章 対称性の破れ・相転移と素励起

  • 巨視的秩序の生成
  • 二次相転移と臨界現象
  • 南部ゴールドストーンの定理

第6章 ゲージ対称性の破れ・超伝導

  • 超伝導
  • ギンツブルクランダウ展開
  • ヒッグス機構

第7章 巨視的秩序のダイナミクス

  • ジョセフソン効果
  • 超伝導体のジョセフソン方程式
  • 磁性体のLLG方程式

第8章 中間スケールの物理

  • トポロジカル構造(磁壁、スカーミオン等)
  • 巨視的量子コヒーレンス
  • 量子ビット

第9章 応用

  • 量子情報デバイス
  • スピントロニクス
  • 磁性の制御

担当教員Instructor 齊藤 英治