物理工学科カリキュラムcurriculum
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基礎物理学・先端物理学
固体物理第一

講義項目Outline

磁性・電気伝導性・熱容量といった固体が示すマクロな性質は、周期的に並んだ結晶格子の状態とその格子上を動き回る電子の状態を知ることで、定性的に理解することができる。本講義では、結晶格子と電子の状態を知るための基礎となる、回折現象や格子振動、自由電子モデルや初等的バンド理論を理解することを目指す。また、この講義に続く固体物理第2,3,4の入門を兼ねる。

1 結晶格子と逆格子
 1-1 結晶格子
 1-2 結晶の対称性
 1-3 逆格子
 1-4 回折の一般論
 1-5 X線回折による構造の決定

2 格子振動とフォノン
 2-1 1次元格子・3次元格子の基準振動
 2-2 調和結晶の高温比熱
 2-3 調和結晶の中温比熱
 2-4 フォノン分散

3 自由電子モデル
 3-1 ドルーデモデルと単純金属の性質
 3-2 フェルミディラック統計とフェルミ面
 3-3 ゾンマーフェルト理論と熱力学的性質

4 結晶中の電子とバンド理論
 4-1 弱い周期ポテンシャル中の電子(自由電子近似)
 4-2 周期ポテンシャルとブロッホの定理
 4-3 ブロッホ波動関数とエネルギーバンド
 4-4 バンドギャップとフェルミ面
 4-5 結晶格子に強く束縛された電子(タイトバインディング近似)
 4-6 その他のバンド計算法の紹介

担当教員Instructor 石坂 香子、橋本 顕一郎