物理工学輪講第二
6月29日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2021年6月29日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 田中 優之介
指導教員名 芝内 孝禎 教授/橋本 顕一郎 准教授
論文題目 鉄セレン-テルル(FeSe(1-x)Te(x))における、電子ネマティック相の量子臨界点と超伝導転移温度Tcの関係
要旨 近年発見された「電子ネマティック状態」は、そのゆらぎが超伝導転移温度を増大させることが示唆されているが詳細は明らかになっていない。今回紹介する論文では、電子ネマティック相が現れることがすでに明らかになっているFeSe(1-x)Te(x)について高圧・低温実験を行い、圧力・化学置換の割合・温度を変数とした3次元相図を描出する。さらに、FeSeやFeSe(1-x)S(x)を対象に行われた過去の研究を合わせて、電子ネマティック相の量子臨界点と超伝導転移温度の増大が関連していることを3次元相図上で示唆する。
発表者名 小河 弘樹
指導教員名 芝内 孝禎 教授/橋本 顕一郎 准教授
論文題目 磁場侵入長測定による超伝導相内の量子臨界点の観測
要旨 超伝導発現機構が未解明である非従来型超伝導体では隣接する秩序相の消失と共に超伝導相が現れることや転移温度が上昇する振る舞いがしばしば見られる。この秩序相が消失する点は量子臨界点(QCP)と呼ばれ、その近傍では量子揺らぎが増大することから超伝導発現機構との関連性が議論されている。
本発表では非従来型超伝導体の一種である鉄系超伝導体における磁場侵入長測定の結果を紹介し、超伝導とQCPの関連性について議論を行う。
発表者名 吉田 悠生
指導教員名 芝内 孝禎 教授/橋本 顕一郎 准教授
論文題目 キタエフ物質α-RuCl3の熱ホール伝導度、比熱の測定
要旨 キタエフ模型は、極低温でも磁気秩序を示さない量子スピン液体を厳密解として持つ模型として注目されている。この模型が持つ特徴として、スピンが遍歴マヨラナフェルミオンと局在Z2フラックスに分裂する「分数化」現象、外部磁場の方向に依存したトポロジカル不変量、エネルギーギャップが挙げられる。本発表ではキタエフ物質で理論的に予測されるこれらの物性がα-RuCl3でみられた例として、半整数量子熱ホール効果、および熱ホール伝導度と比熱の外部磁場方向依存性について紹介する。

Bグループ

発表者名 高橋 一真
指導教員名 古澤 明 教授/吉川 純一 講師
論文題目 光子数識別器の評価
要旨 光子数測定には複数のon/off検出器を用いる方法と光子数識別器を用いる方法が知られている。本発表では、論文で紹介されている光子数測定器の評価方法を用いて数値実験を行った結果について説明する。また、その結果から光子数識別器を用いる方法の優位性を説明する。
発表者名 陳 遥知
指導教員名 古澤 明 教授/吉川 純一 講師
論文題目 量子フィードバックアンプとその応用
要旨 古典的なフィードバックアンプはアンプ部分をオペアンプにしたうえで、フィードバック部分を調整することで様々な機能を実現している。今回の発表では量子フィードバックアンプを実装する方法、及びその制御系を記述する手法を紹介する。また、量子的なフィードバックアンプを実装するうえでの物理的な制約、フィードバックアンプを利用することによって実現できるいくつかの機能も紹介する。
発表者名 野村 岳史
指導教員名 古澤 明 教授/吉川 純一 講師
論文題目 光子数識別による量子状態トモグラフィー
要旨 量子状態トモグラフィーとは、同じ未知の状態を多数用意して物理量を測定し、物理量の統計性から状態を再構築する手法である。量子光学での量子状態トモグラフィーには、ホモダイン測定という既に確立された手法がある。本発表では、これとは原理が全く異なる手法である光子数識別を使った手法について紹介する。