物理工学輪講第二
6月22日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2021年6月22日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 加藤 幹太
指導教員名 為ヶ井 強 准教授
論文題目 Critical-current anisotropy due to inclined and crossed linear defects
要旨 高温超伝導体に、重金属イオンを用いて平行あるいは交差した柱状欠陥を導入したところ、透過する磁束の分布の変化や臨界電流の異方性が観測されたが、これは欠陥の幾何学的配置及び磁束線の動きの異方性に由来している。本発表では、臨界電流の異方性をいくつかの異なるkink生成を起点としたピン止め外れのモデルを用いて説明する。
発表者名 本田 創太郎
指導教員名 為ヶ井 強 准教授
論文題目 Advances in Rare-Earth Tritelluride Quantum Materials:Structure, Properties, and Synthesis (量子材料希土類トリテルライドの進歩:構造、性質、合成)
要旨 希土類トリテルライドRTe3は層状構造で低次元の構造特性を持った物質であり、電荷密度波CDWや超伝導といった特徴的な物性を持った物質である。本発表ではRTe3の結晶、電子構造や諸特性、作成法などを紹介する。
発表者名 米虫 遼太郎
指導教員名 為ヶ井 強 准教授
論文題目 重イオン照射されたNbSe2におけるガラス状ダイナミクス
要旨 過去、長距離秩序を持たない超伝導体として新たな熱力学的相「渦糸-ガラス相」が紹介され、その後、それは点欠陥だけでなく柱状欠陥によってもガラス性が引き起こされると予測された。YBa2Cu3O7-x(YBCO)ではガラス相がよく研究されており、ガラス状態になると、クリープ率S(熱的に活性化された渦糸の運動を記述するもの)の温度T依存性が異なる振る舞いを見せると分かっている。しかし、それ以外の物質で柱状欠陥を持つものについての研究はまだ少ない。
本発表では、NbSe2結晶において、c軸から30°傾いた柱状欠陥がS(T)の低減に有効であることを紹介した研究について発表する。

Bグループ

発表者名 赤羽 伸哉
指導教員名 鹿野田 一司 教授
論文題目 核四重極共鳴(NQR)の原理とその応用:電荷移動相転移の観測
要旨 一般に核スピンIが1/2の原子核では、その電荷分布は球対称となるが、核スピンIが1以上の原子核では、その電荷分布は球対称からずれ、偏りが生じる。この原子核内での電気的な偏りを核四重極モーメントと呼ぶ。このとき、原子核の周囲の電子やイオンによって原子核の位置に電場勾配が生じると、核の向きによってエネルギー的に安定な状態と不安定な状態に分裂し、核スピンの縮退が解ける。この分裂幅に相当するエネルギーを有する高周波電磁波を照射することで、異なるエネルギー状態間で遷移が起きる。これを核四重極共鳴(NQR)と呼ぶ。NQRの共鳴スペクトルや緩和時間などを測定することによって、原子核周囲の電子状態を調べることが可能である。本発表では、NQRの原理を詳細に説明し、その後NQRを用いた物性研究の例として、電荷移動相転移を観測した実験結果を紹介する。
発表者名 梶原 悠人
指導教員名 鹿野田 一司 教授
論文題目 有機モット絶縁体における量子スピン液体状態の期待
要旨 磁性体において絶対零度でもスピンが秩序化しない状態を量子スピン液体状態と呼び、理論的に新たな磁性体の状態として期待されており、実験的に長く探し求められている。
発表では、スピン液体状態を実現するための鍵となると考えられている幾何学的フラストレーションについて説明するとともに、候補物質の一つである有機モット絶縁体κ-(BEDT−TTF)2 Cu2(CN)3について紹介する。
発表者名 木倉 清吾
指導教員名 古澤 明 教授/吉川 純一 講師
論文題目 連続量での測定に基づく量子計算とフレキシブル量子回路
要旨 量子情報において、基底のとり方は離散基底と連続基底の2種類があり、特に量子光学では連続基底をとる場合が多い。本発表では、量子計算モデルの1つである測定型量子計算モデルを連続基底下で詳しく説明し、発展的内容として様々な利点をもつフレキシブル量子回路の理論提案について紹介する。