物理工学輪講第二
6月15日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2021年6月15日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 黒木 龍
指導教員名 杉本 宜昭 准教授
論文題目 分子内の電荷分布を可視化する研究
要旨 走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)を使うことで、サンプルの表面の電子や構造の特徴を研究したり、表面に吸着している分子やナノ構造の特徴を研究することができるが、これらの顕微鏡を使っても電荷分布を可視化することはできない。
本発表では、新たに編み出されたケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM)がどのようにして分子の電荷分布を可視化することに成功したのかを紹介する。
発表者名 長瀬 理仁
指導教員名 杉本 宜昭 准教授
論文題目 Writing and Deleting Single Magnetic Skyrmions(単一磁気スキルミオンの書込と消去)
要旨 トポロジーに保護された安定な磁気構造であるスキルミオンには磁気メモリ素子としての利用が期待されるが、その実現には個々のスキルミオンの制御手法の確立が重要である。本発表では、PdFe薄膜上での個々のスキルミオンの生成・消滅を、スピン偏極走査トンネル顕微鏡により制御・観測した研究を紹介する。
発表者名 伊藤 嵩真
指導教員名 為ヶ井 強 准教授
論文題目 大型磁石としての実用的な高温超伝導材料のレビュー:丸線・テープからケーブル・導体まで
要旨 超伝導体の工学的応用の一つとして強磁場の発生があり、特に数種類の高温超伝導体は工業生産の観点からも優秀な強磁場の発生源として使われている。本発表では、そのような材料の材質、形状による物理的特性の違いを主な応用例と結びつけながら紹介し、並びに今後の開発の方向性についても概観する。

Bグループ

発表者名 中筋 渉太
指導教員名 齊藤 英治 教授
論文題目 伝送線路共振器を介した超伝導量子ビットの相互作用
要旨 本発表では、回路量子電磁気学の理論をベースとして、2つの量子系間に働く相互作用を引き出す実験を紹介する。伝送線路共振機を介して結合される2つの量子系モデルは、2つの量子系間の相互作用を共振機の状態に応じて制御することができる。この制御を理解する上で重要な概念であるswap相互作用およびac-Stark効果の理論を解説する。最後に、この制御を現実の超伝導量子コンピュータに適用し、2量子ビットゲートを実現した実験を紹介する。
発表者名 小林 海翔
指導教員名 齊藤 英治 教授
論文題目 4体相互作用がもたらす キャビティ内磁性体のエンタングルメント
要旨 磁性体には多様な素励起間相互作用が発現し、量子情報処理への応用可能性がある。理想的なキャビティ内磁性体には4対相互作用により磁性体間にエンタングルメントが生じるが、現実の系にはエンタングルメントを壊しうる緩和が存在する。本発表では確率的な緩和を扱う量子ランジュバン方程式を説明し、緩和存在下におけるキャビティ内磁性体のエンタングルメントを数値的に解析した研究を紹介する。
発表者名 藤本 雄人
指導教員名 齊藤 英治 教授
論文題目 反転対称性の破れを利用したスピントロニクス現象
要旨 反転対称性の破れた系では特異なスピン軌道相互作用が働き,ラシュバ効果・ドレッセルハウス効果と呼ばれる現象が現れる.この系に電流を流すと非平衡なスピン分極が生じる.本発表では,このスピン分極が磁化にトルクを与えることで強磁性共鳴が発生することを実証した論文について紹介する。