物理工学輪講第二
6月8日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2021年6月8日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 相原 孝広
指導教員名 岡本 博 教授/貴田 徳明 准教授
論文題目 高強度テラヘルツ光の発生手法とその応用
要旨 テラヘルツ光の発生には非線形光学効果が利用される。その原理を解説するとともに、LN結晶におけるパルス面傾斜法による高強度テラヘルツ光発生の画期的な手法を詳説する。
また、テラヘルツ光によって反強磁性マグノンをフェムト秒単位で制御した応用例を紹介する。
発表者名 佐藤 真武
指導教員名 岡本 博 教授/貴田 徳明 准教授
論文題目 テラヘルツパルスによる電子型強誘電体の高速分極変調及びその機構の解明
要旨 強誘電体の分極の高速制御は、光スイッチ等のデバイスに応用できる可能性を秘めている。この発表では、強誘電分極の高速制御に向けた研究の1つとして、電子型強誘電体に分類される物質の高速分極制御、及びその機構の解明を、テラヘルツパルスを用いて行った研究を紹介する。
発表者名 上田 朔
指導教員名 岡本 博 教授/貴田 徳明 准教授
論文題目 中赤外パルスを利用したサブサイクル分光
要旨 サブサイクル分光では電磁波の一周期の間に起きる物質の応答を観測できる。ここで中赤外パルスを用いるとテラヘルツ波より高強度の電場を印加することができ、光誘起相転移やフォノンの共鳴励起の観測などに役立つ。一方、サブサイクル分光を行うにはポンプ光の"Carrier Envelope Phase"の安定化・プローブ光の広帯域化が課題となる。この発表ではこれらを実現する光学系の仕組みを説明し、中赤外パルスを利用した物性実験の例も紹介する。

Bグループ

発表者名 千葉 速樹
指導教員名 香取 秀俊 教授/牛島 一朗 講師
論文題目 縦励起ラムゼー分光法を用いた連続運転光格子時計
要旨 原子時計は原子と電磁波との相互作用を用いて、原子の普遍的な共鳴周波数に電磁波の周波数を負帰還制御によってS同期させている。原子時計の安定度の指標としてアラン分散を導入し、原子の共鳴周波数の安定度と、周波数の同期の正確さを高めてきた歴史を紹介する。また、そこから見える現在の課題を解決する手法として、多数の冷却原子をトラップし同時に測定できる光格子時計の利点を継承しつつ連続測定を可能にした、縦励起ラムゼー分光法を紹介する。
発表者名 藏田 力丸
指導教員名 香取 秀俊 教授/牛島 一朗 講師
論文題目 量子非破壊測定を用いた光格子時計のQ値の向上
要旨 原子時計は、レーザーの周波数ゆらぎを原子2準位系の励起率を通して測定し、その原子の遷移周波数に安定化することで成り立っている。ところが、従来の時計において励起率の測定は破壊的であり、測定のたびに原子の充填が必要であった。充填の間は測定が不可能なため、レーザーの周波数ゆらぎのエイリアシングにより、時計の安定度が悪化する。本発表では、一回の充填で複数回連続に測定することでこれを緩和できる、量子非破壊測定について説明する。さらに、これを応用したAtom Phase Lockと呼ばれる技術による、時計の安定度の向上についても紹介する。
発表者名 山下 陸
指導教員名 香取 秀俊 教授/牛島 一朗 講師
論文題目 可搬型光格子時計を用いた相対論的測地
要旨 一般相対性理論によると、重力ポテンシャルが異なる2地点に置かれた時計の進む速度は互いに異なって見える。18桁の光格子時計を光ファイバーで繋げば数時間でcmレベルの標高差を時計の周波数差として測定でき、従来の方法に比べ高精度かつ高速に測地を行える道具となり得る。本発表では18桁の精度の可搬型光格子時計を開発し、一般相対性理論の妥当性を地表のスケールの実験で高精度に検証したという研究と、18桁の光格子時計を用いた火山活動の監視や地震予測への応用の方法を提唱した研究を紹介する。