物理工学輪講第二
5月25日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2021年5月25日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 赤塚 俊輔
指導教員名 石坂 香子 教授
論文題目 顕微レーザー角度分解光電子分光による原子層WTe2フレークのバンド構造の観測
要旨 剥離法によって得られる2次元フレーク物質では、3次元バルク物質とは異なる電子構造が実現し、様々な物性が発現する。今回は顕微レーザー角度分解光電子分光によって原子層WTe2フレークのバンド構造を直接観測した研究を紹介する。
発表者名 韓 東学
指導教員名 石坂 香子 教授
論文題目 超高速時間分解電子回折による1T-TaS2における光誘起相転移の観測
要旨 電荷密度波(電子密度と結晶格子の超周期的な変調)の形成にともない絶縁体へと相転移を示す擬2次元物質1T-TaS2を対象とし、超高速時間分解電子回折を用いた実時間観測により、その光誘起相転移過程における電子と格子の役割を明らかにした例を紹介する。
発表者名 遠藤 幹大
指導教員名 岩佐 義宏 教授
論文題目 Magic-angle二層グラフェンにおける新奇物性
要旨 グラフェンは長年研究が盛んにおこなわれている物質の一つであり、その特徴的なバンド構造により様々な興味深い物性が現れている。しかし、近年グラフェンをツイストした状態で二層に重ねたMATBGという物質に関して、従来のグラフェンの物性とは全く異なった物理現象が発現していることがわかった。
本発表では単層グラフェンの物性について述べ、天然二層グラフェン及びMATBGの構造を説明した後に新たに発見された物性についての研究を紹介する。

Bグループ

発表者名 大村 哲士
指導教員名 十倉 好紀 卓越教授/金澤 直也 講師
論文題目 異常ホール効果とベリー位相
要旨 固体内の電子はスピン軌道相互作用などの影響を受けて、ベリー位相と呼ばれるヒルベルト空間内の幾何学的な位相を獲得する。
本発表ではベリー位相理論を紹介し、その帰結が顕著な形として現れる異常ホール効果について強相関酸化物を例に挙げて説明する。
発表者名 古川 裕貴
指導教員名 十倉 好紀 卓越教授/金澤 直也 講師
論文題目 らせん磁性体における創発電磁場とその応用
要旨 非共面磁気構造上の伝導電子はベリー位相を獲得し、創発電磁場と呼ばれる見かけ上の電磁場を感じる。一部のらせん磁性体で観察されるスキルミオンと呼ばれる磁気構造は創発磁場を生じ、それに由来する現象が観測されている。また、らせん磁性体に電流を流した際に生じる創発電場を利用した創発インダクターが提案・実証されていて、これはインダクタンスの小型化の観点から応用面にも期待されている。本発表ではこうしたらせん磁性体における創発電磁場がもたらす電荷輸送現象を紹介する。
発表者名 門 恭平
指導教員名 賀川 史敬 准教授
論文題目 電流パルスによる超伝導相の不揮発制御
要旨 超伝導相の制御として代表的なのはキャリア数や圧力といったパラメータを調節し,熱力学的に最安定な相として超伝導相を発現させるアプローチである.本発表では,電流パルスにより試料を急激に冷却することで競合する最安定相への一次相転移を動的に回避し,準安定超伝導相を発現させるという従来の熱力学的なアプローチとは全く異なる方法について説明する.