物理工学輪講第二
5月18日
[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までに office[at]ap.t.u-tokyo.ac.jp 宛てに送付して下さい。
発表日
2021年5月18日(火)14:55〜16:55

Aグループ

発表者名 諸見里 真人
指導教員名 木村 剛 教授
論文題目 Ba(TiO)Cu4(PO4)4におけるフェロキラル秩序
要旨 右手と左手のように、その鏡像体が同一にはならない物質、いわゆるキラルな物質は、自然光学活性や圧電効果などさまざまな機能を持つことが知られている。有機化学の分野では分子のキラリティを定量的に評価する様々な方法が提案されているのに対し、物性物理の分野では多くの場合、キラリティは結晶構造の対称性を表す定性的な指標として用いられているに過ぎず、定量的な物理量としての取り扱いがほとんど行われていない。本発表で紹介するBa(TiO)Cu4(PO4)4においては反強誘電的な構造モチーフに反強的回転秩序が組み合わさることにより強的な(フェロ)キラル秩序が形成され、この回転角の大きさからキラリティを定量的にとらえることができる。本発表では同物質におけるフェロキラル秩序とそれに関連する構造相転移およびドメイン形成に関して紹介する。
発表者名 山岸 茂直
指導教員名 木村 剛 教授
論文題目 Cr2O3における電場誘起ファラデー効果
要旨 時間反転対称性と空間反転対称性の破れた磁性体では、電気磁気効果が観測される。電気磁気効果とは、電場に対して磁化が誘起されたり、磁場に対して電気分極が誘起される現象である。このような物質の中には光に対して特異的な応答を示すものがあり、電気磁気光学効果と呼ばれる。電気磁気光学効果は、光の入射方向を反転させると異なる光学応答を示すといった非相反性などの点で通常の光学応答とは異なる。本発表では、電気磁気効果についての説明を行った後、時間反転対称性と空間反転対称性の破れた磁性体Cr2O3において観測される電気磁気光学効果の1つである電場誘起ファラデー効果に関する研究を紹介する。
発表者名 青木 俊太
指導教員名 岩佐 義宏 教授
論文題目 ファンデルワールス結晶界面におけるスピン・バレートロニクス機能
要旨 2次元物質のファンデルワールスヘテロ構造は、組み合わせによって様々な物性を実現できる。今回は、単層WSe2と薄膜CrI3のヘテロ結合を用いてバレー・軌道・スピン結合を確認した研究を紹介する。

Bグループ

発表者名 田中 蒼斗
指導教員名 吉岡 孝高 准教授
論文題目 光周波数コムと天文観測への応用
要旨 正確に等間隔な列スペクトルを持つ光周波数コムを天文観測用分光器の校正に応用する研究が近年進んでいる。本発表では、モード同期レーザーを安定化し光周波数コムとする手法の研究と、それを天文観測に用いた天文コムの研究を紹介する。
発表者名 灰田 悠希
指導教員名 吉岡 孝高 准教授
論文題目 半導体中の励起子の量子多体現象
要旨 半導体励起子のボース・アインシュタイン凝縮(BEC)の実現に向けた取り組みのなかで、低温高密度励起子系が見せる多彩な物理現象が発見されてきた。これらの現象をその観測手法とともに紹介し、安定なBECの実現に向けた最近の研究にも触れる。
発表者名 久田 淳司
指導教員名 賀川 史敬 准教授
論文題目 大域熱力学と定常熱流下における気液共存界面の問題
要旨 非平衡状態のうち比較的平衡状態に近い状態として定常状態を考える。その中の一つの問題として定常熱流下の気液共存界面の問題はまだ正確には理解されていない。本発表では、近年提唱された大域熱力学を概観し、気液共存界面の問題に適用した結果を紹介する。