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物理工学輪講第二

[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までにoffice[at]ap.t.u-tokyo.ac.jpあてに送付して下さい。

        
2017年7月11日(火)14:55~16:55
Aグループ 62号講義室(2階262号室)
司会: 千葉 大地 准教授
Bグループ セミナー室C(3階372号室)
司会: 小塚 裕介 講師
発表者名: 勝吉 司
指導教員名: 木村 剛 教授
発表題目: 磁気四極子秩序に起因する磁気誘電性の検出
要旨:  磁気秩序と自発的な電気分極を併せ持つ物質のことをマルチフェロイクスと呼ぶ。マルチフェロイクスが示す代表的な性質に電気磁気効果があり、電場による磁化の制御と磁場による電気分極の制御が可能である。対称性の要請から線形の電気磁気効果が生じるには空間反転対称性と時間反転対称性がともに破れている必要があるが、その条件を満たす微視的な磁気構造の候補として、磁気モノポール型・トロイダル型・磁気四極子型と呼ばれる特殊なスピン配列が挙げられる。これらのスピン配列に起因する線形電気磁気効果に関して、これまで実験的に確認されてきたものの多くはトロイダル型のスピン配列によるものであった。しかしながら最近、K. Kimuraらによって磁気四極子秩序に起因する電気磁気効果を示す物質の設計の提案と実験的な検証が報告された。今回の発表では、上述の特殊なスピン配列と線形電気磁気効果の関係を説明し、磁気四極子秩序を内包する物質の構造及び電気磁気効果の測定の結果を紹介する。

発表者名: 榊原 怜威
指導教員名: 古澤 明 教授/ 吉川 純一 講師
発表題目: 全光学的量子テレポーテーション
要旨:  量子テレポーテーションとは、送り手側の量子状態を受け手側で再現することであり、量子計算には必要不可欠なものとなっている。量子テレポーテーションを光で行う場合、その機構として電気光学的なものが用いられてきた。しかし、電気光学的な機構では、光を電気に変換する際に光の帯域に制限がかかってしまう。それを回避するために提案されたものが全光学的な機構であり、広い周波数帯で安定な応答を持つ。今回の発表では、この全光学的な機構の紹介とともに電気光学的な機構との比較を行う。

発表者名: 三澤 龍介
指導教員名: 木村 剛 教授
発表題目: 円偏光共鳴X線回折法による結晶構造カイラリティの観測
要旨:  近年、物質の構造解析の手法として、放射光を利用した観測手法が飛躍的に向上している。通常のX線回折による観測では、中心対称性の破れた結晶においてもhklと-h-k-l反射の散乱強度が等しくなるため(フリーデル則)、中心対称性のある結晶とない結晶を判別がすることができない。しかしながら、内核電子の共鳴による異常分散補正を利用することで、X線回折でも、その判別が可能となることが知られている。今回の発表では、さらにこの分散補正の円偏光依存性を利用した円偏光共鳴X線回折の実現原理を説明し、らせん的な原子配列に由来する結晶構造カイラリティを有する水晶(SiO_2)に対して同手法を適用し、通常のX線回折では区別できない右巻きと左巻きらせん構造の識別を行った実験を紹介する。
発表者名: バトトゥルガ ムンフツェツェグ
指導教員名: 高橋 陽太郎 准教授
発表題目: スピントロニクス;スピンホール効果
要旨:  1980年代の巨大磁気抵抗効果の発見に始まり、スピントロニクスの分野は大変興味深く研究されている。その理由は、スピントロニクスの研究を応用することで今までのエレクトロニクスデバイスを改善することができるからである。例えば、ハードディスクの読み込み速度の向上だけでなく、消費エネルギーやコストの削減を実現することができる。スピントロニクスの研究の1つの中心テーマはスピンホール効果である。本発表では、スピンホール効果の理論と実験結果について紹介を行う。
発表者名: 真島 裕貴
指導教員名: 岩佐 義宏 教授/ 中野 匡規 特任講師 
発表題目: ファンデルワールス結晶における2次元強磁性
要旨:  2004年のグラフェンの発見を境に2次元系の物性研究は大きく転換し、バルクを劈開した層状物質がどのような物性を示すのかという事に注目が集まるようになった。一方でこれまで、2次元極限において有限温度で長距離秩序を示す物質は存在しないと考えられてきた。しかし2017年に発表された2つの論文では、Cr2Ge2Te6とCrI3という2つの物質が単層極限で強磁性を示す事が報告された。本発表では、これらの物質がどのような磁性を示し、いかにして単層極限で磁性を示すかについて、異方性をキーワードにして説明する

発表者名: 村田 大輝
指導教員名: 高橋 陽太郎 准教授
発表題目: マルチフェロイクスにおける巨大な電気磁気効果とその光学応答
要旨:  19世紀にマクスウェルにより確立された電磁気学は現在の我々の生活に欠かせないものを数多く生み出してきた一方で、物質中ではさらに複雑な電磁気応答を示す可能性があると指摘されていた。
本発表では、マルチフェロイクスと呼ばれる磁性と強誘電性が強く結合した新しい物質群について具体例を用いながら見ていく。特に、2003年に発見されたTbMnO3における磁気構造由来の強誘電性を中心として、その微視的な機構や関連物質について説明する。さらに今回はマルチフェロイクス固有の素励起であるエレクトロマグノンを紹介し、その応用の可能性について触れていく。

 
 

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