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物理工学輪講第二

[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までにoffice[at]ap.t.u-tokyo.ac.jpあてに送付して下さい。

        
2017年6月27日(火)14:55~16:55
Aグループ 62号講義室(2階262号室)
司会: 中野 匡規 特任講師
Bグループ セミナー室C(3階372号室)
司会: 山本 倫久 講師
発表者名: 高村 直幹
指導教員名: 岡本 博 教授/ 貴田 徳明 准教授
発表題目: α-(BEDT-TTF)2I3の電子型強誘電性
要旨:  電子型強誘電体は電荷移動により分極を生じさせる強誘電体であり、光電場に対して高速に分極変調する特性をもつため、光スイッチなどへの応用が期待されており、変位型、秩序-無秩序型に次ぐ新しい強誘電体として近年注目を集めている。
本発表では金属絶縁体転移を生じることが知られているα-(BEDT-TTF)2I3という有機分子結晶について絶縁相における電荷秩序状態の発生を確認し、その実体を調べた論文3つを取り上げて紹介する。そして、テラヘルツポンプ-SHGプローブ分光とテラヘルツポンプ-可視プローブ分光の実験結果を比較することにより、α-(BEDT-TTF)2I3が電子型強誘電体であることを示す。

発表者名: 尾亦 恭輔
指導教員名: 有馬 孝尚 教授/ 徳永 祐介 准教授
発表題目: CuB2O4の一方向透明現象とその理論
要旨:  通常の物質において、その中を進む光が減衰する割合は、光が進む方向が逆になっても同じである。しかし近年、光の照射方向の反転によって減衰率が変化する現象(方向二色性)が報告されている。この方向二色性の大きさが無限大になったものが、ある方向には光を通し、逆方向には光を通さない「一方向透明現象」である。2015年には、本学大学院新領域創成科学研究科の豊田新悟氏らが、方向二色性を微視的・定量的に考察することで一方向透明現象が生じる条件を理論的に予測し、実際に観測に成功している。 今回の発表では、方向二色性についての基本的説明を交えつつ、豊田氏の研究で報告されている一方向透明現象の実現原理と観測手法について紹介する。

発表者名: 佐藤 慎
指導教員名: 川﨑 雅司 教授/ 小塚 裕介 講師
発表題目: 対称性とトポロジカルな物質
要旨:  グラフェンのバンドに代表されるようなディラック分散は普通は少しの摂動によって簡単にギャップが開いてしまう。一方、トポロジーや対称性に守られた系ではギャップが閉じたまま保つことができる。今回の輪講では、トポロジーや対称性の視点からディラック分散を守る手段を説明した上で、実際ディラック分散が守られる物質系とその物質系で起こる物理現象について紹介する。

発表者名: 石原 滉大
指導教員名: 芝内 孝禎 教授
発表題目: トポロジカル超伝導体における回転対称性の破れ
要旨:  ネマティックとは並進対称性は保っているが回転対称性が破れた状態を指し、固体と液体の中間状態である液晶相において使われる言葉である。最近、様々な超伝導物質において電子状態が自発的に回転対称性を破った「電子ネマティック状態」が常伝導相で観測されており、この電子ネマティック状態と超伝導の関係性が精力的に研究されている。一方で、トポロジカル超伝導体では超伝導状態で初めて電子状態が回転対称性を破る「ネマティック超伝導状態」が実現しうることが理論的に示された。今回の発表では、超伝導状態において電子状態の回転対称性が破れていることを実験的に示した論文を紹介する。
発表者名: 畑田 大輝
指導教員名: 川﨑 雅司 教授/ 小塚 裕介 講師
発表題目:
シフト電流による新奇光電変換デバイスの開拓
要旨:  強誘電体など空間反転対称性が破れた結晶に光を当てると電流が生じる。この現象は古くから知られていたが、近年その起源がシフト電流と呼ばれる結晶のバンド構造のトポロジーに由来する電流であることが明らかになり注目を集めている。本発表ではまず、このシフト電流発生の原理を、同じく光照射で電流が発生する現象であるpn接合の光起電力効果と比較させながら説明する。次にTTF-CAと呼ばれる物質における実験結果を交えながらシフト電流の持つ特徴を紹介し、pn接合に代わる新たな光電変換デバイスとしての可能性を提示する。

発表者名: 辻井 優哉
指導教員名: 芝内 孝禎 教授
発表題目: トリプレット超伝導候補物質Sr2RuO4における異常な一軸圧効果
要旨:  超伝導現象とは,電子がペアを組んで凝縮することにより生じる巨視的な量子現象である.中でも,平行スピンどうしの電子が対形成するトリプレット超伝導体は非常に珍しく,Sr2RuO4はその候補物質として大きな注目を集めている.
いまだ謎の多いSr2RuO4の超伝導物性の検証のため,試料に加えるひずみを制御できる新しい装置が開発された.このひずみ制御装置を用いてSr2RuO4に一軸圧を加えると超伝導転移温度に急峻な上昇とピークが現れるという驚くべき結果が報告されている.本発表ではその測定手法と結果の詳細,そして考察を述べる.

 
 

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