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物理工学輪講第二

[注意事項]
輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までにoffice[at]ap.t.u-tokyo.ac.jpあてに送付して下さい。

        
2017年6月20日(火)14:55~16:55
Aグループ 62号講義室(2階262号室)
司会: 為ヶ井 強 准教授
Bグループ セミナー室C(3階372号室)
司会: 吉川 純一 講師
発表者名: 大瀧 貴史
指導教員名: 岡本 博 教授/ 貴田 徳明 准教授
発表題目: VO2の光誘起絶縁体-金属転移
要旨:  光誘起相転移は、その名の通り光が照射されることにより生じる相転移である。この相転移は ps 以下という短い時間スケールで発生するため、超高速な光スイッチングデバイスへの応用が期待されている。
本発表では、VO2 の光誘起相転移に焦点を当てる。VO2 は絶縁体-金属転移を示す代表的な強相関電子系である。この物質の相転移の起源がモット転移的なものか、それともパイエルス転移的なものかについては、長い間議論が続いてきた。この興味深い相転移のダイナミクスを調べるために、フェムト秒レーザーを用いたポンププローブ分光法が用いられる。ポンププローブ分光の時間分解能は使用するレーザーのパルス幅程度のオーダーであり、超高速なダイナミクスを測定することが可能である。本発表では、VO2に対する複数の論文のポンププローブ実験結果を紹介する。
発表者名: 渡辺 義人
指導教員名: 有馬 孝尚 教授/ 徳永 祐介 准教授
発表題目: スピン軌道相互作用による新たな種類のモット絶縁体
要旨:  ハバードモデルに基づくモット絶縁体に関する物理は3d 遷移金属酸化物の絶縁性の説明に多大な成功を収めてきた。そこで重要であったのは3d軌道の局在性による強いクーロン反発と小さな重なり積分であった。今発表では局在性の弱まった5d遷移金属酸化物においてなお見られる絶縁性の説明を、強いスピン軌道相互作用を持ち出すことによって試みるとともに実験によって検証した論文を紹介する。
発表者名: 井上 真之
指導教員名: 岡本 博 教授/ 貴田 徳明 准教授
発表題目: 光誘起中性‐イオン性転移のフェムト秒時間分解能での解析
要旨:  中性‐イオン性転移はファンデルワールス分子結晶からイオン性結晶への相転移で、これを光照射によって引き起こすのが光誘起中性‐イオン性転移である。この現象はフェムト秒スケールで生じるため解析が困難であったが、フェムト秒時間分解能をもつポンププローブ分光ができたことにより解析が可能になった。今回はこの相転移を示す代表的物質である有機分子結晶TTF-CAの反射率変化をポンププローブ分光で調べることにより、相転移を引き起こす電荷転移、スピンパイエルス転移、分子変形といった諸現象を解析し、相転移に与える影響について述べる。
発表者名: シャロンソンバトアモン バラミー
指導教員名: 有馬 孝尚 教授/ 徳永 祐介 准教授
発表題目: CuB2O4の磁気によるキラリティー誘起と巨大磁気カイラル効果
要旨:  鏡像対称性の欠如というキラリティーは様々な分野で興味深い現象である。
物質の研究においてキラリティーを持つ結晶は左右円偏光に対し吸収率が異なるという円二色性を持つ。今回紹介する論文では、外部磁場によってCuB2O4のキラリティーを誘起し、そのキラリティを磁場の回転によって反転することに成功した。また、とても大きな磁気カイラル効果を観測した。
発表者名: 上田 涼太
指導教員名: 岡本 博 教授/ 貴田 徳明 准教授
発表題目: テラヘルツパルスによるキャリア増幅
要旨:  近年、パルス面傾斜法によってテラヘルツパルスを発生させることに成功した。このテラヘルツパルスの利用用途は様々あるが、そのひとつにテラヘルツパルスによるキャリア増幅がある。これは、テラヘルツパルスによって発生する強電界を利用して電子を加速し、衝突することによって電子の数が2倍になるという衝突電離という現象を利用したものである。本発表では、まず、テラヘルツパルスの生成方法を示す。そして、テラヘルツパルスの強度や温度を変化させた上で電子の数がどのくらい増加したかを示し、これと理論上の値とが整合するかどうかを論じる。
発表者名: 山本 圭祐
指導教員名: 有馬 孝尚 教授/ 徳永 祐介 准教授
発表題目: Composite domain walls in multiferroic perovskite ferrite
要旨:  ガドリウムオルソフェライト(GdFeO3)は低温下で強磁性体と強誘電体の性質を併せ持つマルチフェロイクス物質であり、磁場をかけることで電気分極が変化し、電場をかけることによって磁化が変化する性質が発見された。これは物質内の磁壁、分域壁が一致し複合ドメイン壁という構造をとることで実現していると考えられる。電場での磁化制御が可能となれば、低消費電力のメモリーデバイスなどの応用可能性が期待される。

 
 

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