学科専攻長の挨拶

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物理工学科 学科長 専攻長 川﨑雅司

物理工学科 学科長 専攻長 川﨑雅司

物理工学科・物理工学専攻とはどういうところか、何ができるのか?

一言で言って、「新しい物理が生まれるところ」です。古くは、量子力学を日本で初めて輸入しました。現在では、強相関物質科学や量子情報科学のような新しい物理の世界的研究拠点となっています。そのような状況が生まれる元となっている基本思想は、「応用物理=鷹揚な物理」、つまり「何でもアリ」といった柔軟な思想です。私が学科長・専攻長をやっていることが何よりの証拠です。したがって、これからも新たな物理が生まれてくることと思います。

 

ただ、ひとつだけ注意したいことがあります。それは、我々は単に「流行りもの」を追っているのでは無いという点です。我々のやっている物理は、あくまでも量子力学や統計力学といった基本的な物理学のルールに則ったものであり、きちんとした学問的基礎のない、いわゆる流行りものは我々の眼中にはありません。

 

20世紀に物理学の基本ルールはほぼ完全に確立したといえます。しかし、その応用、定石のようなものはほとんど明らかになっていません。これは囲碁や将棋にたとえると、ルールは知っているが定石を知らない素人のようなものです。素人は玄人には全く歯が立ちません。これが21世紀の我々の状況です。物理工学科・物理工学専攻では定石を見い出し、少しずつ自然を理解する玄人になろうと努力しています。

 

例えば、電子そのものは量子で、その運動は量子力学で記述できます。しかし、それが多数になった場合の振る舞いは、残念ながら完全には把握できていません。逆に、それを追求しているのが強相関物質科学であるといえます。同様に、1つの量子(原子、光子)の運動は量子力学で記述し理解できますが、多数の量子が相関を持ってきたとき、その振る舞いは自明ではありません。これを追求するのが量子情報科学です。量子が複数存在して初めて、量子もつれ(エンタングルメント)が生まれてくるのです。

 

次に、物理工学科で何ができるかを説明しましょう。まず、3年生の間は、いわゆる「お勉強」をし、その総仕上げをしてもらいます。「お勉強」は、物理工学科4年生から始まる卒業研究をゲーム(試合)とすると、腕立て・腹筋のような筋トレです。それ自身が面白いと思う人もいるかもしれませんが、これから始まるゲームに向けた最後の調整の場だと思って、多少苦しくても耐えてもらっています。これが終われば「ゲーム三昧=パラダイス」ですから。

 

研究というゲームは、スポーツ同様勝つこともあれば負けることもありますが、とてもとても面白いものです。さらに、我々が相手にしているのは世界ですから、いきなりメジャーリーグでプレーすることになります。その醍醐味は一度味わったらやめられません。ただ、ゲームを楽しむためには基礎体力が必要です。また、基礎体力がないとアッという間に怪我をしてしまうでしょう。そうならないように、3年生では「お勉強=筋トレ」に励んでもらっています。

 

つまり、物理工学科・物理工学専攻でできることは、全身全霊を掛けて楽しめる研究というゲームです。

 

以上が、「物理工学科・物理工学専攻とはどういうところか、何ができるのか?」に対する答えです。この考えに共鳴してたくさんの人たちが当学科・専攻に集まってくれることを期待しています。

 

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