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毎年恒例の卒業研究発表会。平成26年度は5人の優秀卒業論文賞受賞者が誕生した。右も左もわからない状態で研究室に飛び込み、世界レベルの先生や先輩たちと肩を並べるうち、思いも寄らない世界が目の前に広がっていく。その醍醐味と、そこに至る努力の一端を5人に尋ねてみた。
[取材:2015年2月]

 
 

ラスト1回で成功!自分の手で成し遂げた実感

茂木 将孝十倉研究室
卒論題目:「磁性トポロジカル絶縁体における磁区制御と量子化磁壁伝導」

表面にのみ電気を通す性質を持つトポロジカル絶縁体は、様々な可能性を秘めた話題のトピックです。たとえば、トポロジカル絶縁体の薄膜に鉄やクロムなどの磁性元素を混ぜることで一風変わった磁石となり、試料の端にエネルギー損失のない電流が流れる「量子異常ホール効果」を起こすことができます。超伝導とはまた違った原理でロスのない電流が得られる点から、将来的な実用も期待されています。
僕の研究は端的に言えばその量子異常ホール状態を、磁壁において観測するものです。ドクターの先輩とのペアで行う研究で、先輩の指示のもとで試料をたくさん作り、観測向けのデバイスに加工して測定してという作業をひたすら繰り返している間が最も苦労しましたね。1ヵ月以上休みなく何度も失敗経験を重ねるうちに、次は何をすべきか対策が見えるようになっていきました。そしてこれが最後の試料という時、ついに目指してきた磁壁伝導の徴候を発見したのは、本当に感動でした。努力を続ければ成し遂げられることがあると身をもって実感できた瞬間でした。


【 後輩たちへひとこと 】
3年生までの授業は難しいわりに役立つとも思えない、ただのお勉強だと思うかも知れません。でも研究室に入ると、過去に学んだことを使いこなして自分の考えを出せる機会がやってきます。

 
 

生まれて初めて、勉強が楽しいと思った

中村 亮介古澤研究室
卒論題目:「時間領域における量子非破壊相互作用ゲートの研究」

僕の研究は量子コンピュータ実現を目指す一助になるもの。量子非破壊相互作用ゲートとは量子エンタングルメントを生成する2入力2出力のゲートです。今あるものより高速化するために、広帯域の光で実現させるというのが僕のテーマ。僕が研究室に入った時点で博士・修士過程の先輩方がある程度進めていた研究に僕も加わって、問題を一つ一つ原因究明し、解決していくプロセスを経験しました。
高速化をはかるためには、装置内を進む2本の光の経路をよりシビアに調整する必要があって苦心しました。実験中わけのわからない結果が出た時、先輩たちに相談すると、僕の予想以上にいろいろな可能性を考えつくんです。僕はもともとあまり勉強が好きな方ではなかったけれど、研究室に入って明確な目的を持って知識を身につけるようになり、生まれて初めて勉強が楽しいと思いました。修士では光を扱う別の研究室に進みますが、先輩のようにあらゆる問題に対応できる深い理解を持った研究者を目指したいですね。


【 後輩たちへひとこと 】
僕が物工を志望したのは、理論も応用も両方できると思ったから。理論の研究室もあるのがいいですね。研究好きな人なら存分に楽しめる学科だと思います。

 
 

自分の手で更地から系を組み上げた経験は貴重

遠山 健古澤研究室
卒論題目:「時間領域2モード量子トリットの生成とその評価」

同じ古澤研究室の中村君たちがやっていたのは、量子状態を操作して扱える範囲を広げること。僕の研究テーマは、操作を加える対象とするための量子状態を作ることです。光子が2通りの状態の重ね合わせにあるものを量子ビットと呼びますが、僕は量子トリット、つまり3通りの状態の重ね合わせを生成すると同時に、当研究室で量子ビットの測定に使っているホモダイン測定という手法でその生成された状態の評価を行いました。
量子トリットは量子ビットと比べて生成に時間がかかるため、1万個作って測定しようとすると途中で徐々に実験系に精度のズレが生じ、不安定になるのが難点です。それを防ぐために実験前にどう調整するかに苦心しました。ドクターや留学生の先輩たちとの共同研究でしたが、自分の手で更地の状態から系を組むという経験ができたのは大きかったですね。当研究室では研究を進めるために必要な装置もできるだけ自分で作るという方針なので、必然的に自分で回路を作るなどの関連スキルも磨くことができました。そうして身につけた幅広い技術は社会に出ても役立つのではと思います。


【 後輩たちへひとこと 】
理学部物理学科がどちらかというと研究者志向なのに比べて、物工にはエンジニア志向で修士課程は電気系に進むという人もいます。その意味で、物工はいろいろな考え方に触れられる場だと思います。

 
 

愛着が湧いて、なんとか成果を出したくなる

西早 辰一川崎研究室
卒論題目:「ペロブスカイト型WO3薄膜へのキャリアドープと電気伝導性制御」

物質創成分野の中でも、川﨑研は金属酸化物を扱う研究室。酸化物をきれいな単結晶薄膜として成長させると、隠れていた面白い物理現象が現れるのです。その中でもWO3という酸化物の可能性を探るのが僕のテーマでした。
ふつう酸化物に電気を通すためにはわずかに異素材を加えてから加熱して結晶化させるのですが、WO3はその方法だと変質しやすいため、予め結晶構造を固定化した後にキャリアドープする手法をとりました。これだと金属化のプロセスと結晶構造との結びつきがわかるというメリットもあります。卒論の最後の方ではスペースがないX線装置の中で真空状態を作りつつ、同時に電気測定も行うなんていう大変な実験もやりました。当研究室は分業制ではないので、薄膜を作るのはもちろん、測定装置を作ったり制御プログラムを書いたりするところまで自力でやりましたよ。試行錯誤を繰り返すうちにこの物質に愛着が湧いて、何とかものにしたいという気になりましたね。自分の工夫でやり遂げるという達成感を得ることができました。


【 後輩たちへひとこと 】
研究室では同期3人がそれぞれ違う物質をテーマにしていて、目指す特性も磁性、光、電気と別々。研究の経過を報告し合ううちに自然と別の方面にも興味が向きます。次の研究にも繋がりそうです。

 
 

先生からの助言は「神頼みに行ってくれば」(笑)

中川 裕治岩佐研究室
卒論題目:「ZrNCI単結晶におけるインターカレーションと超電導のその場測定」

層状物質ZrNClの層と層の間に原子を入れること(インターカレーション)を多結晶ではなく単結晶で行うことから、それによって現れる超伝導の磁場下での測定までを連続して行うのが僕の研究です。空気に触れたとたんにダメになるような物質で、どうすればうまく作れるのかわからず、たまたま成功するまでひたすら場数を踏むしかなくて、いつも「根性」と言っている岩佐先生にも「神頼みに行ってくれば」と言われたくらいです(笑)。何度も作るうちに勘がつかめてきましたが。
そうやって得られたデータは面白そうなものだったけれど、今度はそれをどのように解釈すればいいのかがよくわかりませんでした。ところがある時、岩佐先生を訪ねてきた他大学の理論家の先生からヒントをもらえたんです。その話を手がかりに勉強し、理解が深まりました。岩佐先生は何かにつけいろいろな分野の専門家に話を聞いてくれるので貴重な経験ができます。今後はこの研究成果を英文にして、筆頭著者として科学誌に投稿する予定です。


【 後輩たちへひとこと 】
成果が出ても伝わらなければ意味が無い。僕は先輩方に何度も発表練習に付き合ってもらいました。岩佐先生から「自分を大きく見せろ」と指導されたおかげで、発表会では十倉先生にも「見事な結果です」と言われたのが嬉しかったです。

 
 

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