東京大学工学部物理工学科・大学院工学系研究科物理工学専攻

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内部学生向け(物工教務室)

物理工学輪講第二

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輪講第二の「題目」・「要旨」は発表の1週間前までにあてに送付して下さい。

        
2020年6月16日(火)14:55〜16:55
Aグループ  Bグループ  Cグループ
発表者名: 梶原 駿
指導教員名: 岩佐 義宏 教授
論文題目: 単層 NbSe2 におけるゼーマン型スピン軌道相互作用と超伝導
要旨: MoS2 や NbSe2 は古くからよく知られた層状物質であるが、これを単層にすると空間反転対称が破れ、バルク単結晶とは異なる物性を示すことが最近の研究から明らかになってきた。なかでも面内空間反転対称性の破れとスピン軌道相互作用が結合することによって生じるゼーマン型スピン軌道相互作用は、フェルミ面中の全電子を面直方向に分極させる。本発表では、超伝導を示すNbSe2に焦点を当て、そのようなゼーマン型スピ ン軌道相互作用が超伝導物性に与える影響について紹介する。
発表者名: 荒川 慶人
指導教員名: 木村 剛 教授
論文題目: フェロアキシャル秩序の観測
要旨: 物質の対称性の破れに着目した物性探索は盛んに行われているが、その中でも2011年に初めて論文に登場した、結晶の回転歪みに起因する「フェロアキシャル」という性質は、強誘電性・強磁性と並ぶ新たな強的秩序として近年注目を集めつつある。しかしながら現状では、共役な外場による制御など未解明な部分も多い発展途上の物性である。本発表では、結晶の対称性の観点からフェロアキシャル秩序・相転移の定義について説明し、またそれがあらわとなる物性現象である電気旋光効果を用いたフェロアキシャルドメインの観測に関する実験例を紹介する。
発表者名: 佐野 友哉
指導教員名: 杉本 宜昭 准教授
論文題目: 原子間力顕微鏡を用いたNiO(001)の磁気構造の観察
要旨: 原子間力顕微鏡(AFM)を用いると、原子間に働く磁気交換相互作用を検出可能であり、強磁場中でNiO(001)表面のスピン配列を測定できる。本発表では、結晶磁気異方性が大きいSmCoを探針に用いることで、外部磁場のない状況でNiO(001)表面の磁気構造を原子分解能で観察した論文を紹介する。
発表者名: 野原 大和
指導教員名: 岩佐 義宏 教授
論文題目: 非線形異常ホール効果とその機構
要旨: 従来の線形伝導におけるホール効果は、一般的に、時間反転対称性の破れ(外部磁場や磁性)を必要とすることが知られている。一方で、近年、空間反転対称性の破れた系において、時間反転対称性の破れを必要としない非線形ホール効果が発現することが明らかとなり、注目を集めている。本発表では、WTe2薄膜において、非線形ホール効果を観測した研究を紹介し、その微視的機構についても考察する。
発表者名: 大竹 雄太郎
指導教員名: 木村 剛 教授
論文題目: 電気磁気効果を示す磁性体における非相反光学応答
要旨: 時間反転及び空間反転対称性の破れを内包する磁性体では、印加電場(磁場)に対して磁化(電気分極)が比例して誘起される線形電気磁気効果が観測される。そのような磁性体においては、振動する電磁波の電場成分に誘起される分極と磁場成分に誘起される分極に干渉効果が生じ、非相反性などの特異な光学応答(電気磁気光学効果)が発現しうる。本発表では、電気磁気光学効果の発現原理の説明および過去の研究例について紹介をし、また強的四極子秩序を有する反強磁性体Pb(TiO)Cu4(PO4)4において最近観測された非相反線二色性および同現象を用いた反強磁性磁気イメージングに関する研究紹介を行う。
発表者名: 飯塚 太一
指導教員名: 杉本 宜昭 准教授
論文題目: STMを用いたCuN膜上のFe単原子の磁気異方性の計測
要旨: 原子レベルの磁気構造を解明することで磁気メモリーの小型化や量子コンピュータへの応用が期待されている。本発表では絶縁膜上におかれたFe単原子が周囲の原子と共有結合することで磁気異方性を示す現象について、走査トンネル顕微鏡(STM)及び非弾性トンネル分光(IETS)による実験とゼーマン効果を拡張した現象論的なモデルから考察した結果を示す。
発表者名: 山本 孝
指導教員名: 岩佐 義宏 教授
論文題目: ファンデルワールスヘテロ構造におけるモアレ励起子 
要旨: 遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)のような二次元ファンデルワールス結晶を積層したヘテロ界面では、格子定数の違いや積層角度によってモアレと呼ばれる長周期構造が生じ、それを反映した新たな物性が盛んに研究されている。本発表では、半導体TMDのヘテロ構造におけるモアレ構造を反映した特徴的励起子応答、モアレ励起子について紹介する。
発表者名: 渡部 友太 
指導教員名: 鹿野田 一司 教授
論文題目: スピン液体と分子性物質
要旨: 近年活発に議論されている電子相の一つである、スピン液体を紹介する。スピン液体とは何か、また、いくつかの分子性物質はその研究のキーとなるものだが、どのような理由でその研究に必要とされるのかを説明する。
発表者名: 山田 陸 
指導教員名: 中村 泰信 教授 / 宇佐見 康二 准教授
論文題目: マイクロ波フィルタ回路を利用した2量子ビットゲート高速化
要旨: 超伝導量子ビット集積化チップ上に実装するマイクロ波フィルタの設計及び評価を行う。設計したフィルタ回路により、量子ビットの緩和を抑制しつつ、高速・高忠実度な2量子ビットゲート操作を実現することを目指す。