東京大学工学部物理工学科・大学院工学系研究科物理工学専攻

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学科長・専攻長挨拶

物理工学科 学科長・専攻長 有田 亮太郎
物理工学科 学科長・専攻長 有田 亮太郎

物理学が目指すのは、一見複雑に見える自然現象の背後にある普遍法則や概念を見出すことです。物理工学科では、自然界の成り立ちを根本から深く考察し、その上で革新的な価値を創造することを目指します。その成果は5年後、10年後に色褪せてしまう一時の流行りではなく、社会構造を根底から変革させる原動力となり得ます。量子力学の発見や半導体科学の進展、エレクトロニクスの隆盛など、現代社会を支える基礎基盤の重要な部分は、物理工学という学問を舞台に起こったものだといえます。

本学科は、「物性理論・計算物理」「先端物質創成」「量子物性」「光科学・量子情報・量子計測」の4つの分野てにおいて世界をリードしています。特に横の繋がりが強いのが特徴で、異なる研究グループのメンバーが非常に近い距離で頻繁に行き来しています。実験に基づいて新しい理論を構築したり、着想した理論を実験で検証するために新しい計測手法を生み出したりといった共同研究が盛んに行われ、世界的に注目される成果が挙がっています。個人の顔が見えるサイズで、それほど大規模にならず、参加メンバーが個性を存分に発揮できるのは、物理工学という学問領域の特色の一つと考えます。

本学科に進学した皆さんはまず、物理学と関連する数学の基礎を体系的、重点的に学びます。そして4年生の卒業研究の段階で世界最先端の現場に飛び込むという、大いに刺激的な毎日が待っています。

こうした先進的な研究活動を通じ、物理学的素養を持った人材を育成することは本学科の大きな目標です。日々劇的に変化し、様々な困難が次々と現れる現代社会にあって、問題を論理的に整理してその本質は何かを考えるという物理学特有のアプローチは、どんな問題に対しても普遍的に有効な解決方法となるはずです。

これから物理工学を学ぶ皆さんには、知識だけでなく、10年後20年後の社会をリードしていくという気概、野心、あるいはイノベーションマインドを大切に育んでいっていただきたいと思います。基礎知識と違い、マインドは座学では身に付きません。自分の柱となる専門性を身に付けると同時に、異なる専門へも視野を広げて独自の価値観を育み、志を同じくする人々とのネットワークを築いていく。そうした経験の一つ一つが、将来の自分にとって重要な資産となるに違いありません。

本学科の教員陣は、本学科に進学した皆さんにとてもチャレンジングな課題を投げかけるでしょう。物理工学の最前線に立って知見を積み重ね、それが未来に活かされる喜びをぜひ味わってください。大いに期待しています。